この会社は誰もがテレビCMを見ない日はないというくらい有名な会社の企画職の求人票です。
IT系の新規事業開発は人気があります。その上、超有名企業ですので、一流企業出身者がたくさん応募してくるでしょう。
具体的にはどの分野の人材を求めてるのでしょうか?
海外の企業との協業や、投資判断のための企業分析、先端IT経験、セキュリティ系などです。
とすると、みなさんの競合になりそうなのは、こんな人たち。実際、転職エージェントに確認したら「ご名答」とのこと。
- 総合商社マン
- 戦略コンサル
- 事業会社の事業企画
- 銀行等でのM&A業務経験者
- ITベンチャー企業の企画
- セキュリティに強みのあるITベンダーの企画
- 競合の携帯キャリア企業の事業企画
あなたがこれらにあてはまるならチャンスがあります。といっても、スタートラインに立っただけですが。
一方、あなたがそうでなかった場合、当たり前ですが、厳しいです。
とは言え、可能性はゼロではありません。ちょっと可能性を探ってみましょう。
例えば、あなたが次のようなスペックの人材だとします(たぶんこれが最低スペックだと思います)。
- 事業会社勤務(有名でなくてもいい)
- 社長直下の部署で
- 新規事業開発を行っている
- 海外でも企業提携・事業開発経験あり(失敗でもいい)
その場合、どこに勝機がある、またはないでしょうか?
改めて募集職種を見てみます。
まず(5)のセキュリティビジネスは、経験がないならムリです。
(4)は軽い言葉が躍っていて具体的な業務が見えにくいですが、そうした薄っぺらい(スミマセン)ことを掲げて商売した経験の豊富なコンサル・総研系の連中にはかなわないでしょう。
(3)は、こればかりやってるコンサルや銀行、経営企画部の「分析屋」が相手だと厳しそうです。
という事で、一旦、(1)か(2)に絞ります。
つまり、「海外を視野に入れた新規事業開発をした経験」で勝負します。
となるとあなたの競争相手は、「総合商社マン」か、「事業会社の海外事業企画」、「ITベンチャーの企画」、「競合の携帯キャリア企業の事業企画」、しかもどこも有名一流企業ばかりでしょう。
仮に、それぞれの名前を「物産」、「ソニ」、「あべま」、「どこも」としましょうか。
この4人に勝てる要素があなたにはあるでしょうか?
「隙間」を見つけるため、改めて求人票を熟読してみます。
すると、社員インタビューの中で、こんなことが書いてました。
「常に新しいことにチャレンジできる」、「外部環境に迅速に対応できる柔軟性」が強みと。まあ、よくある文言ですね。
また、
「外部環境が急激に変化する」、「特定分野に縛られることなく」、「変化に対して柔軟な対応が可能」。
また似たような事を言ってますねえ。裏読みすると、この社員はよっぽど、
- 「そのアイデアは周回遅れなんだって!もう技術は次のフェーズに移ってるぞ!」
とか、
- 「新しいことができる環境にあるのに、なぜ似たようなものしか提案できないの?」
とか言われてる、もしくは言っている可能性があります。
考えてみれば、納得。だって、この会社はちょっと前までベンチャー企業。新しいことにチャレンジして、色々な事業を試み、環境の変化に対応して伸びてきた会社ですから。
つまり、「柔軟性」、「新しいことにチャレンジ」がないと、この会社では話にならないということです。
とは言え、これだけ何度も言うってことは、最近の新入社員にはできてない人が多いのかもしれません。
という事を頭に入れてもう一度勝てそうな「隙間」を探してみましょう。
先ほどの4人、「物産」、「ソニ」、「あべま」、「どこも」に勝てそうでしょうか?
まず、「どこも」には勝てるかも。携帯業界はどこも「親方日の丸」「お役所」みたいなカルチャーなので、柔軟性やチャレンジを「説得力」を持ってアピールできる経験はなさそう(携帯業界の方、勝手な妄想でスミマセン)。
でも、残りの「物産」、「そに」、「あべま」とは、他に差別化する軸が必要ですよね。
うんんん・・・・・。
これは無理くりですが、一つあるとしたら、彼らとの「一番の違い」を軸にする事。つまり、
あなたの会社が他ほど「有名でない」ことを逆手にとって強みにできないでしょうか?
例えば、ヘリクツをこねれば、海外の企業との提携や新規事業の立ち上げでは、日本ほどブランド力のない環境で、企画を具現化する「馬力」が重要です。
その点、有名企業の場合は、「物産」君や「ソニ」は大看板がありますので、担当者が下駄をはかせてもらって商売ができます。
一方、あなたは、無名会社のため、提携希望の海外企業とアポを取るのも一苦労、金もないので代理店も雇えず、全部自分でやらざるを得ません。
交渉段階に入ってからもこちらの足元を見られてか、法外なフィーを要求され採算が合わない・・。
それらの苦難を乗り越えて提携企業との契約締結。
「看板で勝負しているぬるいヤツラとは違います!」。
ってな具合にアピールするしかなさそうです。
ちなみに、あべまには勝てる軸が見つからないので、一旦、お三方に狙いを定めましょう。
「物産」、「ソニ」、「どこも」君との差別化を念頭に置いて、
- 「ブルドーザーのような実行力に強みを持つ企画マン」という立ち位置から、
- 海外事業進出の際、全く看板の通じない世界で提携実現・事業立ち上げに「ドロ臭く」取り組み、結果を出した話(または、失敗してもすぐに起き上がって別の事業を立ち上げた話)を、
- 環境への柔軟性、新しいことにチャレンジする姿勢という側面からアピールする
こんな馬力のある企画マンを演じられれば勝機があるかもしれません。
で、そんなストーリーを語れる経験を、「どうにか、こうにか」見つけ出してください。